「もう、あんた北海道行って2年もなるんよ…」
その言葉を聞いたとき、私は一瞬、言葉を失いました。
福岡から北海道に移って、まだ1年も経っていない頃のことです。
「えっ…まだ1年経ってないよ?」
「ううん、もう2年やん、寂しいねぇ。」
父が電話横から「そんなことない、1年も経ってないっち何回言っても違うっち言う」と何度否定しても、母は「違う。2年!」と譲りませんでした。
最初は「気持ちの問題かな」と思ったり、「そういう感覚のズレは誰にでもあるよね」と受け流していました。
でも、その少し前から、母との会話に小さな違和感を覚えることが増えていたんです。
きっかけは些細な違和感だった、母に限ってまさか…と思いたかった…
- 同じ話を数日後の電話で覚えてない
- 自宅の庭で乗用車で前進後進間違えて岩に乗り上げた
- そうやったかね?と言う言葉が多くなった
日常の中でふっと現れる違和感。
でも、そのたびに「いやいや、母に限って…」「年のせいやろう」と、心の中で打ち消していました。
少しずつ進んでいた変化
・外出を億劫がるようになった
・季節の行事や趣味への関心が薄れた
・言葉に詰まることが増えた
家族だからこそ、「なんとなく感じていた」変化が、実は見逃せないサインだったと後から気づくことになります。
母は昔から、家の中を仕切る頼もしい存在でした。
家族が探し物をしていたらいち早く見つけ出す。そんな母が“認知症”なんて、正直、考えたくなかったんです。
誰もが気のせいにしてしまいそうな変化。けれど、その違和感がのちの大きな変化の予兆でした。
「きっと大丈夫」と思いたい。でも、放っておくことはできなかった――。
認知症かも知れない
“認知症かもしれない”という言葉が心をよぎるようになっても、すぐに現実とは向き合えませんでした。
母に対して「そんなはずはない」という気持ちと、「でも何かがおかしい」という確信がせめぎ合う時間。
この迷いの中に、同じように悩む人もきっといるはずです。
次章
第2章「違和感から急展開」
加速する変化に追いつけないけれど、それが現実 をお送りします。
ブログ紹介:母の介護を通じて
これからこのブログでは、母の介護を通して私が感じた戸惑いや学び、そして小さな希望の光を、できる限りリアルに綴っていきます。
入退院のたびに変わる認知機能や身体機能の現実。
制度のはざまで置いていかれそうになるもどかしさ。
そして、家族として「どう向き合うか」「どう支えるか」の葛藤と選択——。
同じように介護の現場で悩んでいる方や、これから直面するかもしれない方の参考になるよう、看護師としての知識と家族としての視点の両方から、情報と体験を共有していきます。

お知らせ:自費介護サービス『お出かけサポート 春うらら』のご紹介
北海道(札幌西区〜小樽)を中心に、ご高齢の方や介護が必要な方の「外出したい」「誰かと話したい」という気持ちを大切にした、自費介護サービス『お出かけサポート 春うらら』を2026年4月よりスタート予定です。
私自身、母の介護を通して「外出できないことの不安」や「気持ちの孤立」を痛感しました。だからこそ、この『お出かけサポート 春うらら』を立ち上げようと決意しました。
病院への付き添いや買い物同行、お話し相手といった基本的なサポートから始めさせていただく予定です。
今後はサポート仲間を徐々に増やし、より多くの方に安心してご利用いただける体制を目指しています。
ご本人やご家族の負担軽減と、笑顔あふれる毎日をサポートいたします。
北海道で外出支援サービスをお探しの方は、お気軽にお問い合わせください。
【対応予定サービス例】
- 病院への付き添い送迎
- 買い物同行
- お話し相手・見守りなど
【対応エリア】
北海道札幌市西区、手稲区、小樽市
『お出かけサポート 春うらら』が皆さまの快適な暮らしを応援します。

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