カテゴリー: 母の介護を通じて

  • 第3章:介護申請ができないってどういうこと?!〜退院しても,すぐに始められない現実〜

    「えっ、入院中は介護申請できないんですか?」

    その言葉を聞いたとき、私は一瞬、耳を疑った。

    母は寝たきりに近い状態で、認知力も明らかに低下している。

    自宅に連れて帰るつもりでいた私は、退院後すぐに支援が必要になると考え、入院中に介護申請の手続きを始めようとしました。

    入院中は自宅退院予定だと介護申請できないの?!

    けれど、**「申請は退院後でないとできません」**と窓口であっさり言われました。

    なぜ? 今、この瞬間にも支援が必要な人がいるのに。

    手続きの壁にぶつかった私は、もどかしさを抱えながら退院日を迎えました。

    そして母が退院し、「さあ、今度こそ介護申請だ」と市の窓口に連絡すると、

    今度はこう言われました。

    「現在、調査員が足りなくて……。最短でも再来週になります。」

    それを聞いて私は、言葉を失いました。

    母はすでに家にいる。日々の介護はもう始まっている。

    それなのに、支援の入り口にすら立てていないなんて――。

    母の退院、手放しに喜べないなんて…

    私は現実に打ちのめされました。

    必要なときに、必要な手が届かない。

    制度があるのに、間に合わない。

    その隙間を、私はひとりの娘として埋めていくしかありませんでした。

    「間に合わない」制度と、

    「待ったなし」の暮らし。

    そのギャップに私は、強く向き合わされることになったのです。

    次章

    第4章:介護認定が下りるまでの私がやったこと ~不安と孤独の中で見えた小さな希望~
    をお送りします。

    お知らせ:2026年4月スタート予定の自費介護サービス『お出かけサポート 春うらら』のご紹介

    北海道(札幌西区〜小樽)を中心に、ご高齢の方や介護が必要な方の「外出したい」「誰かと話したい」という気持ちを大切にした、自費介護サービス『お出かけサポート 春うらら』を2026年4月よりスタート予定です。

    私自身、母の介護を通して「外出できないことの不安」や「気持ちの孤立」を痛感しました。だからこそ、この『お出かけサポート 春うらら』を立ち上げようと決意しました。


    病院への付き添いや買い物同行、お話し相手といった基本的なサポートから始めさせていただく予定です。

    ご本人やご家族の負担軽減と、笑顔あふれる毎日をサポートいたします。

    北海道で自費介護サービスをお探しの方は、お気軽にお問い合わせください。

    【対応予定サービス例】

    •病院への付き添い送迎

    •買い物同行

    •見守り、お話し相手など

    【対応エリア】

    札幌西区、手稲区、小樽市

    📲 LINEで「お出かけサポート 春うらら」に簡単アクセス!

    サービスのご予約・ご相談は、LINEからも受け付けています。
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  • 第2章:違和感から急展開!〜母の加速する変化に追いつけないけど向き合うしかない現実〜

    ある日突然父からの電話、『母さんが倒れて救急車に運ばれた』と。

    検査では特に異常はなく、その日は帰宅。

    ひとまず安心したのも束の間。

    2ヶ月もしないうちに母は再び転倒し、入院となりました。

    転倒・入院が与える変化

    検査では脳動脈瘤が見つかりましたが、今回の転倒との因果関係ははっきりせず、経過観察入院となりました。

    病気そのものも心配でしたが、入院によって母の心と体が急速に弱っていくことが不安でした。

    入院=安心

    母は40代から糖尿病を患い、1日4回のインスリン自己注射を行いながら、生活を自分の手で支えてきました。

    それなのに、病院ではベッドで寝かされたまま。

    「安静が必要」と言われたわけではないのに、実際にはほとんど離床が進んでいない。

    看護師として私は知っています。

    入院したら何で歩けなくなるの?

    それは動かせないのではなく、動かさない——人手不足、つまりマンパワー不足の現実です。

    本来ならリハビリや声かけで維持できるはずの機能が、時間とともに失われていくことも。入院前は歩けていたのに今ではほぼ寝たきり。

    北海道にいる私はすぐに会いに行けず、父も高齢で、しかもコロナの影響で面会は週に1回に制限されていました。

    そのたびに、父のスマートフォン越しに母の様子を見せてもらいました。

    最初は入院前のように会話できていたのに、次第に言葉が減り、視線が合わなくなり、車椅子への移乗も一人ではできなくなっていきました。

    ——これはもう、“様子を見る”段階ではない。

    このまま病院に任せていたら、母の「その人らしさ」が失われてしまう。

    そう確信した私は、仕事を調整しなんとか休みをもらい福岡に帰省し医師に交渉しました。

    『退院させてください!』

    「病状は安定しているのなら家に連れて帰ります。介護も看護も、全部私がやります」

    何度も交渉したわけではありません。

    ただ、母の“今”を守るために、私は迷わず動きました。

    少しのきっかけで、人はまた立ち上がれる

    病院では、母は“介助される人”として扱われていました。

    車椅子での移動、インスリン注射もすべて看護師任せ。

    でも、私はわかっていました。

    母には、もっとできる力がある。

    ただ、“動かされない日々”が、その力を眠らせていただけなんだと。

    自宅への退院で,日々の力が動き出す

    退院後、私の声かけに応じて、母はすぐに反応を見せてくれました。

    「打てるよ」

    そう言って、インスリン自己注射を自らの手で始めたとき、私は思わず胸が熱くなりました。

    病院では失われかけていた“自分らしさ”が、自宅の生活に戻ったことで、少しずつ蘇っていきました。

    階段の昇り降りも、最初は支えが必要でしたが、日を追うごとにしっかりと足を運ぶように。

    そして何より印象的だったのが、父と母が二人三脚で営んでいたいちご農園でのこと。

    あまおう いちごのパック詰めが母の仕事

    出荷前のパック詰めは、いつも母が担当していた仕事。

    「ちょっと詰めてみる?」とパックを渡すといつもの椅子に座って

    いちごを手に取り、ひとつずつ丁寧にパックに並べていく姿――

    私は、涙が出そうになりました。

    母は、自分の場所に帰ってきた。

    ただ生きるだけではなく、「役割のある毎日」を、自分の手で取り戻したのです。

    一筋の光の先に、再び深い闇が待っていた

    「また少しずつ、元の生活に戻れるかもしれない。」

    そう思い、北海道への航空券を購入した矢先のことでした。

    夜中、母が再び転倒

    後頭部を打ち、救急搬送されました。

    診断は「後頚部打撲」。

    骨折こそなかったものの、両腕に力が入らず、動かせない状態に。

    手も動かせないことで、再び入院となりベッドの上の生活が始まりました。

    病院で行われた検査で――

    以前から経過観察していた脳動脈瘤が、少し大きくなっていることがわかりました。

    医師からは「この機会に手術を」と勧められ、家族で話し合った末、手術を決断。

    入院に加え、脳動脈クリッピング術のダブルパンチ

    脳動脈瘤クリッピング術を受けることになりました。

    手術は無事に終わりました。

    でも、母は更なる手術という侵襲で心身ともに落とされてしまいました。

    父とのオンライン電話では以前の入院よりも酷い状態でした。目を開けていても、こちらの声がどれだけ届いているのか分からないほど。やっとの返答も見当識障害、どこにいるかもわからない、自分が手術を受けたこともわからない状態でした。寝返りもできず、背中に体位変換の枕が入れられていました。

    1ヶ月前に見せてくれていた、自分の手でインスリンの注射を打ち、いちごを詰める姿はどこへ――。

    希望が見えた後だったからこそ、その落差が心に深く刺さりました。

    それでも私は、諦めたくありませんでした。

    もう一度、母の力を信じたい”

    その想いが、次の行動へと私を駆り立てていくのです。

    北海道に戻っていた私は、あの時の決断と葛藤していました。

    私があの時退院させなければ、転倒は防げたのではないか――

    “良かれと思ってしたこと”が、母を再び寝たきりにさせてしまったのではないか。

    正解が見えない中で、心は何度も揺れ動きました。

    けれど、病院で静かに力を失っていく母を見て、

    「このままではいけない」と思ったあの瞬間の私の判断も、

    嘘ではなかったはずだ。

    そしてまた、私は決断しました。

    再度、母を病院から退院させる――

    今度は、もっと慎重に、もっと丁寧に、支えながら。

    次章

    第3章:介護申請をしてもできないってどういうこと?!〜退院してもすぐに始められない現実〜をお送りします。

    お知らせ:2026年4月スタート予定の自費介護サービス『お出かけサポート 春うらら』のご紹介

    北海道(札幌西区〜小樽)を中心に、ご高齢の方や介護が必要な方の「外出したい」「誰かと話したい」という気持ちを大切にした、自費介護サービス『お出かけサポート 春うらら』を2026年4月よりスタート予定です。

    私自身、母の介護を通して「外出できないことの不安」や「気持ちの孤立」を痛感しました。だからこそ、この『お出かけサポート 春うらら』を立ち上げようと決意しました。


    病院への付き添いや買い物同行、お話し相手といった基本的なサポートから始めさせていただく予定です。

    ご本人やご家族の負担軽減と、笑顔あふれる毎日をサポートいたします。

    北海道で自費介護サービスをお探しの方は、お気軽にお問い合わせください。

    【対応予定サービス例】

    •病院への付き添い送迎

    •買い物同行

    •見守り、お話し相手など

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  • 第1章:母との会話に「あれっ?」と感じたけど…母に限って、まさか

    「もう、あんた北海道行って2年もなるんよ…」

    その言葉を聞いたとき、私は一瞬、言葉を失いました。

    福岡から北海道に移って、まだ1年も経っていない頃のことです。

    「えっ…まだ1年経ってないよ?」

    「ううん、もう2年やん、寂しいねぇ。」

    父が電話横から「そんなことない、1年も経ってないっち何回言っても違うっち言う」と何度否定しても、母は「違う。2年!」と譲りませんでした。

    最初は「気持ちの問題かな」と思ったり、「そういう感覚のズレは誰にでもあるよね」と受け流していました。

    でも、その少し前から、母との会話に小さな違和感を覚えることが増えていたんです。



    きっかけは些細な違和感だった母に限ってまさか…と思いたかった…


    • 同じ話を数日後の電話で覚えてない
    • 自宅の庭で乗用車で前進後進間違えて岩に乗り上げた
    • そうやったかね?と言う言葉が多くなった

    日常の中でふっと現れる違和感。

    でも、そのたびに「いやいや、母に限って…」「年のせいやろう」と、心の中で打ち消していました。



    少しずつ進んでいた変化


    ・外出を億劫がるようになった

    ・季節の行事や趣味への関心が薄れた

    ・言葉に詰まることが増えた

    家族だからこそ、「なんとなく感じていた」変化が、実は見逃せないサインだったと後から気づくことになります。

    母は昔から、家の中を仕切る頼もしい存在でした。

    家族が探し物をしていたらいち早く見つけ出す。そんな母が“認知症”なんて、正直、考えたくなかったんです。

    誰もが気のせいにしてしまいそうな変化。けれど、その違和感がのちの大きな変化の予兆でした。

    「きっと大丈夫」と思いたい。でも、放っておくことはできなかった――。

    認知症かも知れない

    “認知症かもしれない”という言葉が心をよぎるようになっても、すぐに現実とは向き合えませんでした。

    母に対して「そんなはずはない」という気持ちと、「でも何かがおかしい」という確信がせめぎ合う時間。

    この迷いの中に、同じように悩む人もきっといるはずです。


    次章

    第2章「違和感から急展開」

    加速する変化に追いつけないけれど、それが現実 をお送りします。

    ブログ紹介:母の介護を通じて

    これからこのブログでは、母の介護を通して私が感じた戸惑いや学び、そして小さな希望の光を、できる限りリアルに綴っていきます。

    入退院のたびに変わる認知機能や身体機能の現実。

    制度のはざまで置いていかれそうになるもどかしさ。

    そして、家族として「どう向き合うか」「どう支えるか」の葛藤と選択——。

    同じように介護の現場で悩んでいる方や、これから直面するかもしれない方の参考になるよう、看護師としての知識と家族としての視点の両方から、情報と体験を共有していきます。

    お知らせ:自費介護サービス『お出かけサポート 春うらら』のご紹介

    北海道(札幌西区〜小樽)を中心に、ご高齢の方や介護が必要な方の「外出したい」「誰かと話したい」という気持ちを大切にした、自費介護サービス『お出かけサポート 春うらら』を2026年4月よりスタート予定です。

    私自身、母の介護を通して「外出できないことの不安」や「気持ちの孤立」を痛感しました。だからこそ、この『お出かけサポート 春うらら』を立ち上げようと決意しました。

    病院への付き添いや買い物同行、お話し相手といった基本的なサポートから始めさせていただく予定です。

    今後はサポート仲間を徐々に増やし、より多くの方に安心してご利用いただける体制を目指しています。

    ご本人やご家族の負担軽減と、笑顔あふれる毎日をサポートいたします。

    北海道で外出支援サービスをお探しの方は、お気軽にお問い合わせください。

    【対応予定サービス例】

    • 病院への付き添い送迎
    • 買い物同行
    • お話し相手・見守りなど

    【対応エリア】

    北海道札幌市西区、手稲区、小樽市

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    『お出かけサポート 春うらら』が皆さまの快適な暮らしを応援します。