退院後すぐに始まった「母の在宅介護」
介護認定がまだ下りていない中での在宅介護。
母が退院してきたその日から、私の生活は大きく変わりました。
母の状態(退院時)
- ベッドから自力で起き上がれない
- 衣服の着脱・おむつ交換は全介助
- トイレや車椅子移乗には体を支える介助が必要
- 食事はセッティングすれば自力摂取可能
- インスリン注射は動作を覚えているが、単位や部位、処置後の確認など見守り必須(※打ったことを忘れて再度打とうとすることも)
- 洗面・口腔ケアは声掛けと見守りが必要
- 車椅子は全介助での駆動
- 日常生活への意欲が乏しく、「めんどくさい」が口癖
■ 私が実践した在宅介護の1日スケジュール
6:00〜
・おむつ交換
・トイレ誘導、陰部洗浄
・清拭(タオル)、着替え、洗面
7:00〜
・インスリン注射
・朝食の準備と見守り
・内服管理
8:00〜
・洗濯物たたみの誘導(生活リハビリ)
9:00〜10:00
・トイレ誘導(声掛けを工夫)
・陰部洗浄のこまめな実施で感染予防
※体調を見て、以下の訓練を実施:
- 車椅子で足を使っての移動練習
- テーブルにつかまっての立ち上がり訓練
12:00〜
・インスリン注射
・昼食介助
・昼寝時間を1時間設けて休息
14:00〜
・トイレ誘導
・塗り絵、計算ドリルで脳を刺激
18:00〜
・インスリン注射
・夕食、内服
19:30〜
・息子の手を借りて脱衣所〜浴室への移動、シャワー介助
20:30〜
・就寝準備、トイレ誘導、おむつ交換(テープ式)
24:00〜2:00
・夜間の尿取りパッド交換
介護で直面した4つの壁
- 排便がスムーズにいかない
- 高血糖のコントロール
- 突然の発熱
- 「嫌!」と拒否される介護拒否
これらの問題に、毎日悩まされました。
「次は何が起きるか分からない」そんな不安と隣り合わせの毎日。
介護認定がまだ下りていないこともあり、支援もほぼない状態でした。
息子の笑顔がもたらした“奇跡”
〜ばぁばに戻る瞬間〜
母の表情は、退院当初ほとんどなく、言葉もあまり出ませんでした。
私や父がどれだけ声をかけても反応が薄く、心が折れそうになることも…。
でも、ひとりだけ違う反応を引き出せた人がいました。
それが、**私の息子(母にとっての孫)**でした。年齢的にはもう立派な大人ですが、母にとっては孫は孫、孫との他愛もない時間に、母がふっと笑う瞬間があったのです。
あの笑顔を見たとき、「あぁ、ばぁばが戻ってきた」と感じました。
介護をしていると、どうしても“できないところ”ばかりに目がいきがちですが、家族の自然な関わりが、“その人らしさ”を取り戻す力になることを実感しました
「家族って、こういうときに力をくれるんだな」そう感じた一日でした。
次章
介護の壁に直面して ~排便困難・高血糖・発熱・介護拒否への挑戦~
1節:排便困難への対応
母の便秘が続いた時の苦労と工夫、具体的なケア内容。
2節:高血糖と向き合う日々
インスリン管理の難しさと工夫、医師との連携。
3節:発熱時の対応と不安
尿路感染症のリスク、早期対応の大切さ。
4節:介護拒否との葛藤と対策
母の気持ちを尊重しながら、やる気を引き出す工夫。
介護には思いがけない困難がつきものです。
私は、この4つの局面で何度も立ち止まり、悩みながらも工夫を重ねてきました。
次の節から、具体的なエピソードとともに、私が実際にやったことを一つずつ丁寧にお伝えします。
同じように悩む方の助けになれば幸いです。

お知らせ:2026年4月スタート予定の自費介護サービス『お出かけサポート 春うらら』のご紹介
北海道(札幌西区〜小樽)を中心に、ご高齢の方や介護が必要な方の「外出したい」「誰かと話したい」という気持ちを大切にした、自費介護サービス『お出かけサポート 春うらら』を2026年4月よりスタート予定です。
私自身、母の介護を通して「外出できないことの不安」や「気持ちの孤立」を痛感しました。だからこそ、この『お出かけサポート 春うらら』を立ち上げようと決意しました。
病院への付き添いや買い物同行、お話し相手といった基本的なサポートから始めさせていただく予定です。
ご本人やご家族の負担軽減と、笑顔あふれる毎日をサポートいたします。
北海道で自費介護サービスをお探しの方は、お気軽にお問い合わせください。
【対応予定サービス例】
•病院への付き添い送迎
•買い物同行
•見守り、お話し相手など
【対応エリア】
札幌市西区、手稲区、小樽市
